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『裁判所事務官になりたい。でも、何から始めればいいのか分からない』という方も多いですよね。試験の名前や区分がいくつもあって、最初でつまずきやすいところです。
結論から言うと、裁判所事務官になるには「受験資格の確認」「申込み」「試験」「採用」の4ステップを順番に進めます。最初に自分がどの試験区分に当てはまるかを知っておくと、そのあとの準備がぐっと楽になります。
この記事を読めば、年齢や学歴に合わせた自分のルートと、令和8年度の日程をもとにした準備の流れが分かります。
裁判所事務官になるには?まずは4ステップの全体像
裁判所事務官になるには、裁判所が行う採用試験に合格し、採用候補者名簿から採用されるのが基本の道です。試験は人事院の国家公務員試験とは別に、裁判所が独自に実施しています。
裁判所事務官のなり方を、4つのステップにまとめると次のとおりです。
- 受験資格を確認し、自分が受ける試験区分を決める
- 希望する高等裁判所を選んで、インターネットで申し込む
- 第1次試験と第2次試験を受けて、最終合格を目指す
- 採用候補者名簿に載り、意向照会などを経て採用される
採用されると、国家公務員の特別職として働くことになります。地方公務員ではなく、国家一般職とも別の試験なので、ここは最初に押さえておきましょう。

裁判所事務官は自分のやりたい仕事?
試験の準備を始める前に、裁判所事務官が自分にとって「やってみたい仕事」かどうかを一度考えてみてください。ここがはっきりしていると、面接でも自分の言葉で話せます。
採用されると、裁判所の「裁判部」か「事務局」に配置されます。裁判部では裁判所書記官のもとで裁判事務に、事務局では総務課・人事課・会計課などで司法行政事務に携わります。
| こんな人に向いている | 理由 |
|---|---|
| 裁判を裏側から支えたい人 | 裁判部で書記官のもとで裁判事務に携わる |
| 正確に事務を進めるのが得意な人 | 一般職試験は的確な事務処理の能力を重視している |
| 組織を支える仕事がしたい人 | 事務局では広報・研修・設備管理などを担う |
| 長く専門性を高めたい人 | 一定期間の在職後に書記官を目指す道がある |
『裁判所事務官のやりたい仕事って、法律に詳しくないとできないんじゃ?』と思う方もいますよね。公式Q&Aでは、試験は細かな専門知識を問うものではなく、基本的な知識や理解を重視していると説明されています。
仕事の全体像は、裁判所事務官とは?仕事内容・なり方・試験をわかりやすく解説で詳しく紹介しています。
ステップ1 自分はどのルート?年齢・学歴別の早見表
裁判所事務官の試験区分は、生年月日と学歴で受けられるものが決まります。令和8年度の受験案内をもとに、自分のルートを確認してみてください。
ここが、裁判所事務官のなり方で一番大事なところです。令和8年度の受験案内に書かれている受験資格を、年齢と学歴ごとに表にしてみました。
| 自分の状況 | 受けられる試験区分の例 | 受験資格のポイント |
|---|---|---|
| 高校3年生・高卒2年以内 | 一般職(高卒者区分) | 令和8年4月1日に高校卒業後2年を経過していない人と、令和9年3月までに卒業見込みの人など |
| 大学生・既卒(平成8年4月2日〜平成17年4月1日生まれ) | 一般職(大卒程度区分)・総合職(大卒程度区分) | 学歴に関係なく受験できる |
| 平成17年4月2日以降生まれで大学卒業見込み | 一般職(大卒程度区分)・総合職(大卒程度区分) | 大学卒業(見込み)等が必要。一般職は短大・高専卒業(見込み)も可 |
| 大学院生(平成8年4月2日以降生まれ) | 総合職(院卒者区分) | 大学院修士課程・専門職大学院の修了(見込み)等 |
| 民間企業などで働いている社会人 | 年齢が合えば大卒程度区分、ほかに社会人経験者選考 | 社会人経験者選考は裁判所ごとに実施 |
公式Q&Aでは、実施年度の4月1日の年齢が21歳以上30歳未満なら、学歴に関係なく大卒程度区分を受けられると説明されています。『大学を出ていないから無理かも』と思っていた方も、年齢が合えば受験できるんです。
なお、日本の国籍を持たない人と、国家公務員法第38条に当てはまる人は受験できません。

法学部じゃなくても大丈夫?
『法学部じゃないけど、裁判所事務官になれる?』という不安もよく聞きます。公式Q&Aでは、法学部のほか、経済・文・教育・理学部など、いろいろな学部出身の人が活躍していると紹介されています。
ただ、一般職(大卒程度区分)の専門試験には憲法と民法が必須で入っています。法律を初めて学ぶ人は、早めに勉強を始めておくと安心です。
社会人から目指すルート
社会人の方には、2つのルートがあります。年齢が合えば一般職や総合職の採用試験を受けるルートと、社会人経験者選考のルートです。
社会人経験者選考は、民間企業や官公庁などで一定期間以上、正社員や正規職員として働いた経験がある人を選考で採用する仕組みです。採用時から係長級の裁判所事務官(主任・調査員)として働き、選考は裁判所ごとに行われます。
ステップ2 試験の種類と希望する高等裁判所を選んで申し込む
申込みはインターネットだけで、「事前登録」と「申込受付」の2段階です。申込み後は試験の種類や希望する高等裁判所を変えられないので、先に決めておきましょう。
令和8年度の受験案内では、大卒程度区分の申込受付は3月13日(金)10時から4月6日(月)まででした。高卒者区分は7月1日(水)10時から7月10日(金)までです。
日程は毎年変わるので、受験する年の受験案内で最新の日程を確認してみてください。
- 総合職か一般職か、どの区分を受けるか
- 総合職を受けるなら、特例を希望するか
- 希望する高等裁判所(勤務したい地域)
- 第1次試験の試験地
- 顔写真のデータを用意したか
希望する高等裁判所は、札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・高松・福岡の8つから選びます。採用はこの管轄区域ごとに行われるので、働きたい地域を考えて選ぶことが大事です。
事前登録だけで申込みが終わったと思い込むケースです。事前登録のあとに申込受付まで済ませないと、申込みは完了しません。
顔写真のアップロードは、大卒程度区分の場合、令和8年度は申込み後4月17日(金)までとされていました。期限を過ぎないように、申込みと同じタイミングで済ませておくと安心です。
総合職を受けるなら「特例」も考えておく
総合職を受ける人は、申込みの時に「特例」を希望するかどうかを選べます。特例を希望して総合職の各試験種目を有効に受験すると、一般職(大卒程度区分)の受験者としても合否判定を受けられる仕組みです。
『特例を希望すると、総合職の合否で不利になる?』と気になりますよね。公式には、特例希望の有無は合否に影響せず、採用時や採用後にも不利にはならないとされています。
特例希望者には、一般職用に論文試験(小論文)が1題追加されます。総合職を考えている方は、その分の準備も見込んでおきましょう。
ステップ3 第1次試験と第2次試験を受ける
令和8年度の一般職(大卒程度区分)は、第1次試験で基礎能力試験と専門試験、第2次試験で論文試験と人物試験があります。論文試験は第1次試験の日に行われます。
令和8年度の一般職(大卒程度区分)の試験内容は、次のとおりです。
| 試験 | 種目 | 内容 | 配点比率 |
|---|---|---|---|
| 第1次 | 基礎能力試験 | 知能分野24題・知識分野6題の30題 | 5/20 |
| 第1次 | 専門試験 | 憲法10題・民法10題、行政法・刑法・経済理論から1科目10題 | 5/20 |
| 第2次 | 論文試験(小論文) | 1題 | 2/20 |
| 第2次 | 人物試験(個別面接) | 人柄・資質・能力 | 8/20 |
配点比率を見ると、人物試験が8/20と大きな割合を占めていますよね。筆記の勉強だけでなく、面接の準備も早めに始めておくのがおすすめです。
令和8年度の日程は、第1次試験が5月9日(土)、第1次の合格発表が5月28日(木)でした。人物試験は6月8日(月)から7月3日(金)、最終合格発表は7月9日(木)です。
知っておきたい試験のルール
試験には、知っておかないと損をするルールがいくつかあります。
- 専門試験の選択科目は、試験当日に問題を見て選べる
- 人物試験以外の各種目には、下限の得点が決められている
- 1つでも下限を下回ると、ほかの点数が良くても不合格になる
- 筆記は素点ではなく、標準点という考え方で採点される
- 六法の持ち込みはできない
試験科目の詳しい内容は、裁判所事務官試験とは?試験区分・日程・倍率の全体像や裁判所事務官の一般職とは?仕事内容と試験の特徴をやさしく解説で確認してみてください。
倍率の目安
令和8年度の一般職(大卒程度区分)の全国合計は、申込者数9,911人、最終合格者1,821人、倍率4.5倍でした。倍率は「第1次試験の有効受験者数÷最終合格者数」で計算された数字です。
| 年度 | 申込者数 | 最終合格者 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 令和6年度 | 10,945人 | 1,979人 | 4.2倍 |
| 令和7年度 | 10,739人 | 2,135人 | 4.2倍 |
| 令和8年度 | 9,911人 | 1,821人 | 4.5倍 |
管轄区域によって倍率は違い、年度によっても動きます。数字は参考にしつつ、自分が働きたい地域で準備を進めていきましょう。
試験日から逆算した準備の流れ
令和8年度の日程をもとに、大卒程度区分を受ける人の準備の流れを並べてみます。実際の日程は年度ごとに変わるので、受験する年の受験案内に置きかえて使ってみてください。
| 時期の目安 | 起きること | やっておきたいこと |
|---|---|---|
| 申込みの前 | 受験案内の公表 | 受験資格と試験区分、希望する高裁を決める |
| 3月中旬〜4月上旬 | 申込受付 | 事前登録と申込受付を両方済ませる |
| 4月中旬まで | 顔写真のアップロード期限 | 写真データを用意してアップロードする |
| 5月上旬 | 第1次試験と論文試験 | 基礎能力・専門・小論文を仕上げる |
| 5月下旬 | 第1次合格発表 | 面接で話すことを書き出し始める |
| 6月〜7月上旬 | 人物試験 | 志望理由と希望勤務地の理由を言えるようにする |
| 7月上旬 | 最終合格発表 | 意向照会の連絡に備える |
第1次試験のあとに面接の準備を始めると、時間が足りなく感じることもあります。筆記の勉強と並行して、志望理由を少しずつ書き出しておくと安心です。
ステップ4 最終合格から採用まで
最終合格者は、高等裁判所の管轄区域ごとの採用候補者名簿に成績順で載ります。そこから推薦や意向照会を経て採用が決まり、採用日は原則として翌年4月1日です。
最終合格したあとは、高等裁判所が希望勤務地や成績などを見て、原則として第一希望の勤務地を管轄する裁判所に推薦します。推薦を受けた裁判所から意向照会があり、面接が行われることもあります。
採用候補者名簿の有効期間は1年です。希望勤務地や欠員の状況によっては、有効期間内に採用されない場合もあると公式Q&Aに書かれています。
採用までの流れは、裁判所事務官の採用|最終合格から採用までの流れと10月採用で詳しく解説しています。
採用後の働き方の目安
採用後の初任給は、一般職(大卒程度)で278,400円、一般職(高卒者)で240,360円です。令和8年4月1日現在・東京都特別区内勤務の例なので、勤務地によって変わります。
勤務時間は1日7時間45分、休日は土日・祝日・年末年始です。異動はおおむね3年が目安で、採用された裁判所のある都道府県内での異動が一般的とされています。
最終合格から採用までは、少し時間があきます。『合格したけど、連絡が来るまで何をすればいいの?』と落ち着かない方もいますよね。
この期間は、意向照会の連絡を受け取れるようにしておくことが一番大事です。あわせて、裁判所の仕事について公式サイトの紹介を読み直しておくと、面接が行われた時にも落ち着いて話せます。
独学でいくか、講座を使うか
裁判所事務官になるための勉強は、独学でも講座でも進められます。どちらがいいかは、今の自分の状況で決めるのがおすすめです。

| こんな時は | 考え方 |
|---|---|
| 法律科目を初めて学ぶ | 憲法・民法の全体像をつかむまで、講座の解説があると進めやすい |
| 論文試験が不安 | 自分の書いた小論文を添削してもらえる環境があると安心 |
| 面接の準備が一人では難しい | 面接練習ができる講座を使うと、話す練習を重ねられる |
| 勉強のスケジュールを自分で組めない | 講座のカリキュラムに沿って進めると迷いにくい |
| 法律の基礎があり、計画も立てられる | 独学で進めて、苦手な部分だけ補う方法もある |
講座の一例として、資格スクール大栄(運営は株式会社リンクアカデミー)には公務員講座があります。高校生向け・大学生向け・社会人向けのコースがあり、全国に教室があります。
公式ページでは、裁判所事務官専用のコースは確認できませんでした。「国家公務員・県庁・市役所 教養・専門対策コース」などで裁判所事務官の試験に対応できるか、資料請求や説明会で確かめてみてください。
独学の進め方は裁判所事務官は独学で受かる?勉強法と講座を使う目安、講座の比べ方は裁判所事務官の予備校・通信講座の選び方|比べる5つのポイントでまとめています。
裁判所事務官ガイド
公務員試験の講座を資料請求で比べてみる
法律科目をゼロから学ぶ、論文を添削してもらう、面接の練習をする。独学で不安な部分だけでも講座を使うと準備が進めやすくなります。まずは資料請求で、コースの内容と受講スタイルを確かめてみましょう。
無料資格スクール大栄の公務員講座を見る講座の内容・料金は公式サイトで最新情報を確認してください。
裁判所事務官になりたい人のよくある相談
知恵袋などで多かった相談から3つを選び、公式情報をもとに考え方をお伝えします。
相談1 28歳の社会人だけど、今から裁判所事務官になれる?
『社会人として働いていて、今年28歳になる。今から裁判所事務官になりたいけど間に合う?』という相談です。
令和8年度の受験案内では、一般職(大卒程度区分)は平成8年4月2日から平成17年4月1日生まれの人なら、学歴に関係なく受験できます。公式Q&Aでも、実施年度の4月1日に21歳以上30歳未満なら受験できると説明されています。
まずは自分の生年月日が受験資格に当てはまるかを、受験する年の受験案内で確認してみてください。年齢が合わない場合も、社会人経験者選考という別の入り口があります。
相談2 受験票は紙に印刷しなくていいの?
『明日が試験なのに、受験票はスマホで見せればいいと書いてあって不安』という相談です。直前は特に心配になりますよね。
令和8年度の受験案内では、受験票はスマートフォンに保存して提示する形とされています。受験案内に書かれているとおりに準備しておけば大丈夫です。
心配な方は、受験票をスマートフォンにきちんと保存できているか、前日のうちに確認しておきましょう。電池切れにならないよう、充電も忘れずに。
相談3 基礎能力試験の点数が低いと、それだけで不合格?
『専門試験はできたのに、基礎能力試験の点数が低かった。足切りになる?』という相談です。
人物試験以外の各種目には下限の得点が決められていて、1つでも下回ると不合格になります。下限の得点は満点の20〜50%を基本に、種目ごとに決められています。
基礎能力試験と専門試験は、どちらも満点30題に対して下限の得点が定められています。苦手な種目を作らないことが、合格への近道なんです。
- 苦手な種目も最低限は仕上げる
- 基礎能力試験の知能分野を早めに対策する
- 専門試験は必須の憲法・民法から固める
- 得意な種目だけを伸ばす
- 基礎能力試験を後回しにする
- 選択科目ばかりに時間を使う
よくある質問
裁判所事務官になるには、どんな資格が必要ですか?
特別な資格はいりません。年齢と学歴などの受験資格を満たして採用試験に合格し、採用されることで裁判所事務官になれます。
裁判所事務官のなり方は、国家一般職と同じですか?
違います。裁判所の採用試験は、人事院の国家公務員採用試験とは別に、裁判所が独自に実施しています。
高校生でも裁判所事務官になれますか?
一般職(高卒者区分)があります。令和8年度は、高校卒業後2年を経過していない人と令和9年3月までに卒業見込みの人などが受験できました。
官庁訪問は必要ですか?
公式Q&Aでは、官庁訪問のような訪問は不要とされています。
裁判所事務官になったあと、書記官になれますか?
一定期間在職すると、裁判所書記官養成課程の入所試験を受けられます。合格して所定の研修を受けると書記官になれます。
まとめ
- 裁判所事務官になるには、受験資格の確認・申込み・試験・採用の4ステップを進む
- 年齢と学歴で、受けられる試験区分が決まる
- 申込みはインターネットのみで、事前登録と申込受付の2段階
- 一般職(大卒程度)は人物試験の配点比率が8/20と大きい
- 採用は原則として翌年4月1日で、名簿の有効期間は1年
裁判所事務官になりたい気持ちが固まったら、まずは受験資格の確認から始めてみてください。最新の日程と人数は、公式の受験案内で確認しておきましょう。





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