当サイトの記事は編集部が裁判所の公式サイトなど公的機関の公開情報と読者の声を調べて独自に執筆しています。当サイトは裁判所の公式サイトではありません。
『裁判所事務官って、独学でも受かるのかな』と気になっている方も多いですよね。予備校に通うお金や時間をかけられるか、迷っている方もいるはずです。
結論から言うと、裁判所事務官は独学でも目指せる試験です。ただ、法律科目・論文・面接の3つは、独学だとつまずきやすい場面があります。
この記事を読めば、独学の進め方と科目別の勉強法、そしてどんな時だけ講座の力を借りればいいかが分かります。
裁判所事務官は独学で目指せる?
目指せます。公式のQ&Aでは、細かな専門知識の有無より、基本的な知識や理解を重視していると説明されています。法学部でなくても受けられ、いろいろな学部の出身者が活躍しています。
『法学部じゃないと、独学は無理なのでは』と思っていませんか。
公式のQ&Aでは、法学部のほか、経済・文・教育・理学部など、いろいろな学部の出身者が活躍していると紹介されています。基本を押さえることが大切な試験なんです。
ただ、独学には向き不向きがあります。まずは、自分が独学に向いているかを見てみましょう。
- 試験日から逆算して、自分で勉強の予定を立てられる
- 分からないところを、自分で調べて解決するのが苦にならない
- 書いた文章を見てもらえる相手(先生・先輩・友人など)がいる
- 面接の練習に付き合ってくれる人がいる
- 毎日少しずつ勉強を続ける時間を確保できる
当てはまる項目が多いほど、独学で進めやすいです。逆に少ない場合は、足りないところだけ講座で補う考え方もあります。
独学の良いところと気をつけたいところ
独学を選ぶ前に、良いところと気をつけたいところを並べておきましょう。
- 費用を本代などに抑えられる
- 自分のペースと時間で進められる
- 得意な科目は短く、苦手な科目は長く、と調整しやすい
- 予定がずれても気づきにくい
- 論文や面接を見てもらう相手を自分で探す必要がある
- 試験の変更などの情報を自分で確かめる必要がある
まずは試験の全体を知っておこう
独学では、何に備えるかを自分で把握しておく必要があります。令和8年度の一般職(大卒程度区分)は、次の4つの種目でした。
| 種目 | 中身 | 配点比率 |
|---|---|---|
| 基礎能力試験 | 知能分野24題・知識分野6題、2時間20分 | 5/20 |
| 専門試験 | 憲法10題・民法10題と、行政法・刑法・経済理論から1科目10題、1時間30分 | 5/20 |
| 論文試験(小論文) | 1題・1時間(第1次試験の日に実施) | 2/20 |
| 人物試験(個別面接) | 人柄・資質・能力 | 8/20 |
配点比率を見ると、人物試験が8/20で一番大きいことが分かりますね。筆記だけでなく、面接まで見すえて準備するのが独学のコツです。
試験の中身は裁判所事務官の試験内容で詳しく書いています。
独学の全体スケジュールを決めよう
独学では、試験日から逆算して「土台づくり」「演習」「仕上げ」「面接」の4つの段階に分けると予定が立てやすくなります。令和8年度の大卒程度区分なら、第1次試験は5月9日(土)でした。
独学でいちばん大事なのは、いつ何をやるかを自分で決めることです。
ここでは、令和8年度の一般職(大卒程度区分)の日程をもとに、段階ごとのやることを並べてみました。日程は毎年変わるので、最新は公式の受験案内で確認してください。
| 段階 | 時期の目安 | やること |
|---|---|---|
| 土台づくり | 勉強を始めてから前半 | 憲法・民法を一通り読む、知能分野の解き方の型を覚える |
| 演習 | 中盤から申込みのころ | 問題集を繰り返し解く、選択科目を進める |
| 仕上げ | 申込み(令和8年度は3月から4月)から5月9日まで | 本番と同じ時間で解く、論文を1時間で書く練習をする |
| 面接 | 5月9日の後から人物試験(6月8日から7月3日)まで | 志望動機と自分の経験を話す練習をする |
『どれくらい前から始めればいいの?』と気になりますよね。
これは、法律を学んだ経験や1日に使える時間で大きく変わります。法律が初めてなら、土台づくりの段階を長めに取っておくと安心です。
- 受験案内で、自分が受ける区分の試験日を確かめる
- 試験日から逆算して、4つの段階の区切りを決める
- 1週間ごとにやる科目と量を決める
- 週末に、できたこととできなかったことを見直す
- 遅れが出たら、次の週の量を調整する
1週間の予定の例
『毎日何をやればいいのか、イメージがわかない』という方のために、土台づくりの段階の1週間の例を作ってみました。
| 曜日 | やること |
|---|---|
| 月・水・金 | 民法を読み進め、読んだ範囲の問題を数題解く |
| 火・木 | 憲法を読み進め、知能分野の問題を数題解く |
| 土 | 1週間で間違えた問題を解き直す |
| 日 | 休み、または遅れた分の調整 |
これはあくまで一例です。授業や仕事の予定に合わせて、自分が続けられる形に変えてみてください。
週に1日は調整の日を作っておくと、予定が崩れた時に立て直しやすいですよ。
申込みの手続きも予定に入れておく
勉強に集中していると、申込みの手続きを忘れがちです。
令和8年度の大卒程度区分の申込受付は、3月13日(金)10時から4月6日(月)まででした。申込みはインターネットのみで、「事前登録」と「申込受付」の2段階です。
申込みの流れは裁判所事務官の試験日と出願で詳しく書いています。
科目別の独学のやり方
基礎能力試験は知能分野を毎日少しずつ、専門試験は憲法・民法を土台に選択科目を1つに絞ります。論文と面接は、独学でも早めに「人に見てもらう」機会を作ることが大切です。
ここからは、科目ごとの進め方を見ていきます。
基礎能力試験は知能分野を毎日
基礎能力試験は30題のうち24題が知能分野です。解き方の型に慣れるほど、点数が安定していきます。
一度にたくさん解くより、毎日少しずつ解く方が身につきやすいです。知識分野は6題なので、範囲を広げすぎないようにしましょう。
憲法・民法は「一通り読む」から
専門試験は、憲法10題・民法10題が必須です。合わせて専門試験の3分の2を占めます。
法律が初めての方は、最初は用語の意味が分からず手が止まりがちです。1回目で全部を理解しようとせず、全体を一通り読んでから問題を解き、2回目、3回目で理解を深めていきましょう。
令和7年度から、一般職(大卒程度区分)の専門試験は憲法の記述式がなくなり、すべて多肢選択式になりました。古い参考書や体験記には、憲法の記述対策が書かれていることがあります。くわしくは専門記述(憲法)の変更点で解説しています。
選択科目は1つに絞る
選択科目は、行政法・刑法・経済理論から1科目です。試験当日に問題を見て選べますが、独学の時間は限られるので、準備は1科目に絞っておくのがおすすめです。
| あなたの状況 | 考えやすい選択科目 |
|---|---|
| 法学部で行政法の授業を取った | 行政法 |
| 法学部で刑法が得意 | 刑法 |
| 経済学部 | 経済理論 |
| どれも初めて | 少しずつ読んでみて、続けやすい科目 |
参考書と問題集の選び方
独学では、使う本選びがそのまま勉強の質につながります。本を選ぶ時は、次の点を確かめてみてください。
- 令和7年度からの専門試験の形(憲法の記述なし、行政法の追加)に合っている
- 自分が読んで分かりやすいと感じる
- 問題に解説がしっかりついている
- 科目ごとに1冊に絞れる
本を何冊も買って少しずつ読むより、1冊を何度も繰り返す方が力がつきやすいです。迷ったら、書店で実際に中を見て、読みやすい方を選んでみてください。
論文試験は「書いて見てもらう」
論文試験(小論文)は、1題を1時間で書きます。配点比率は2/20ですが、下限の得点がある種目です。
独学で一番難しいのが、自分の答案の良し悪しが分からないことです。書いたら、先生や先輩、友人など、誰かに読んでもらう機会を作りましょう。
面接は声に出して練習する
人物試験は個別面接で、配点比率は8/20です。公式のQ&Aでは、専門知識を問うものではないと説明されています。
志望動機を頭の中で考えるだけでなく、声に出して話す練習をしてみてください。例えば、こんなやり取りを想像してみましょう。
「裁判所事務官を志望した理由を教えてください」
「裁判部で書記官を支える仕事と、事務局で裁判所の運営を支える仕事の両方に関心があります」
仕事の中身を知っていると、答えに具体さが出ます。裁判所事務官の仕事は、裁判部での裁判の事務と、事務局での総務・人事・会計などの事務に分かれています。

独学でつまずきやすい3つの場面と、その時だけ外の力を借りる考え方
独学がつまずきやすいのは「法律科目の初学」「論文」「面接」の3つです。全部を講座に任せなくても、つまずいた場面だけ外の力を借りるやり方があります。
ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。
独学か講座か、の二択で考えると迷いますよね。でも実際は、「独学を基本にして、苦手な場面だけ講座を使う」という選び方もできるんです。
| つまずきやすい場面 | 起こりがちなこと | 自分でできる工夫 | 外の力を借りる目安 |
|---|---|---|---|
| 法律科目の初学 | 用語が分からず、問題集を開いても手が止まる | 入門書を一通り読み、問題を解きながら読み直す | 数週間たっても憲法・民法の全体がつかめない時 |
| 論文 | 自分の答案の良し悪しが分からない | 結論と理由を先にメモしてから書く練習をする | 見てもらえる相手がいない時、書き方が固まらない時 |
| 面接 | 頭で考えた答えが、声に出すと続かない | 志望動機を書き出し、声に出して話す | 練習相手がいない時、本番の形式に慣れておきたい時 |
場面1 法律科目の初学
法律科目は、最初の山が高いんです。特に民法は範囲が広く、独学だと全体がつかめるまで時間がかかります。
『問題集を開いても、何を聞かれているのか分からない』という時は、講義で筋道を先に聞くと一気に進むことがあります。
場面2 論文
論文は、自分だけで書いていると、どこを直せばいいか分かりにくいです。
結論から書いて理由を添える、という基本の型は独学でも練習できます。ただ、答案を見てもらう相手がいない時は、添削だけ講座を使うのも1つの方法です。
場面3 面接
面接は、配点比率が8/20と一番大きい種目です。
一人で練習していると、話す速さや表情のくせに気づきにくいですよね。家族や友人に頼むか、それが難しければ講座の模擬面接を使う考え方もあります。
外の力は講座だけではない
外の力を借りる、と聞くと講座を思い浮かべますよね。でも、身近なところにも頼れる人はいます。
例えば、大学生なら授業の先生やキャリアセンター、すでに公務員として働いている先輩などです。社会人なら、家族や友人に面接官役を頼むこともできます。
それでも見てもらう相手がいない時や、試験の形式に合わせた練習をしたい時に、講座を使う、という順番で考えてみてください。
筆記の勉強だけで手一杯になり、面接の準備を第1次合格発表の後に始めてしまうことです。令和8年度の大卒程度区分では、第1次合格発表が5月28日(木)、人物試験が6月8日(月)からでした。

講座を使う目安と選び方
次の4つのうち、2つ以上当てはまるなら講座を検討する価値があります。「法律科目が初めて」「書いた文章を見てもらう相手がいない」「面接の練習相手がいない」「予定を自分で管理しきれない」です。
ここまで読んで、『自分は全部独学でいけるかな』と考えた方もいるはずです。
最後に、講座を使う目安をまとめておきます。
- 憲法・民法などの法律科目を初めて学ぶ
- 論文の答案を見てもらう相手がいない
- 面接の練習に付き合ってくれる人がいない
- 仕事や学業が忙しく、勉強の予定を自分で管理しきれない
- 試験までの残り時間が少ない
独学でいくか、講座を使うか
どちらが正解ということはありません。大事なのは、自分に足りないところを知って、そこだけを補うことです。
講座を選ぶ時は、令和7年度からの試験の変更に合った教材か、論文の添削や面接の練習があるかを確かめておきましょう。比べ方は裁判所事務官の予備校・通信講座の選び方で詳しく書いています。
講座の候補の1つに、資格スクール大栄の公務員講座があります。高校生・大学生・社会人向けのコースがあり、全国に教室があって、資料請求や無料体験・説明会の予約ができます。
裁判所事務官専用のコースは、公式ページでは確認できませんでした。教養・専門対策のコースで裁判所事務官の科目に対応できるかを、資料請求や説明会で確かめてみてください。
裁判所事務官ガイド
公務員試験の講座を資料請求で比べてみる
法律科目をゼロから学ぶ、論文を添削してもらう、面接の練習をする。独学で不安な部分だけでも講座を使うと準備が進めやすくなります。まずは資料請求で、コースの内容と受講スタイルを確かめてみましょう。
無料資格スクール大栄の公務員講座を見る講座の内容・料金は公式サイトで最新情報を確認してください。
裁判所事務官の独学でよくある相談
受験生からよく寄せられる相談を、公式の情報で答えられる範囲で紹介します。
相談1 法学部1年生。独学で裁判所事務官になれる?
『独学で目指したいけど、今から何をすればいいのか』という相談は、とても多く読まれています。
結論から言うと、独学で目指すことはできます。法学部1年生なら、大学の授業で憲法や民法を学ぶ機会があるので、それを土台にできるのは大きな強みです。
まずは受験案内で試験の全体を確かめ、授業と並行して基礎能力試験の知能分野に少しずつ触れてみてください。論文や面接は、学年が上がってから人に見てもらう機会を作れば十分間に合います。
相談2 今24歳。独学で目指せる?年齢の上限は?
『30歳が上限と聞いたけど、今からでも間に合うのか』という相談です。
公式のQ&Aでは、実施年度の4月1日に21歳以上30歳未満なら、学歴に関係なく大卒程度区分を受けられると説明されています。24歳なら、受験の機会はまだあります。
仕事をしながらなら、平日の時間は限られますよね。独学を基本にしつつ、法律科目や面接など苦手な場面だけ講座を使う方法も考えてみてください。
社会人の方は、採用試験とは別に「社会人経験者選考採用」という道もあります。民間企業などで一定期間以上の正社員の経験がある人を、裁判所ごとの選考で採用する制度です。あわせて公式の中途採用のページを見ておくといいですよ。
相談3 看護学科に通っているけど、裁判所事務官を目指せる?
『法律とまったく関係ない学科だけど大丈夫か』という相談もあります。
大卒程度区分は、学部の指定はありません。公式のQ&Aでも、いろいろな学部の出身者が活躍していると紹介されています。
法律が初めてなら、憲法・民法の土台づくりに時間を多めに取っておきましょう。独学で進めにくいと感じたら、法律科目の講義だけ講座を使う方法もあります。
相談4 一次の自己採点が33点。独学のやり方を変えるべき?
『教養14点・専門19点で、一次の合格は厳しいかもしれない』という相談です。
何点なら合格かは公表されていないので、このサイトから合否を言うことはできません。筆記は標準点で比べられ、下限の得点も種目ごとに決まるからです。
ただ、結果がどうであれ、自己採点は次の準備の大事な手がかりになります。点数の低かった種目と分野を書き出し、独学で伸ばせそうか、講座の力を借りた方が早いかを考えてみてください。
よくある質問
裁判所事務官は独学で合格できますか?
独学で目指すことはできます。公式のQ&Aでは、細かな専門知識より基本的な知識や理解を重視していると説明されています。ただ、法律科目の初学・論文・面接はつまずきやすいので、必要な場面だけ講座を使う考え方もあります。
独学で使う参考書は古いものでも大丈夫ですか?
令和7年度から、一般職(大卒程度区分)の専門試験は憲法の記述式がなくなり、選択科目に行政法が加わりました。古い参考書を使う時は、この変更に合っているかを確かめてください。
独学で面接の練習はどうすればいいですか?
志望動機を書き出し、声に出して話す練習から始めてみてください。家族や友人に面接官役を頼むのも効果的です。練習相手がいない時は、講座の模擬面接を使う方法もあります。
独学だと、勉強を始めるのはいつ頃がいいですか?
法律を学んだ経験や1日に使える時間で変わるので、一律には言えません。法律が初めてなら、土台づくりの段階を長めに取れるよう、早めに始めておくと安心です。
独学と講座の併用はできますか?
できます。独学を基本にして、法律科目の講義・論文の添削・面接の練習など、苦手な場面だけ講座を使う人もいます。
まとめ
- 裁判所事務官は独学でも目指せる試験
- 試験日から逆算して「土台づくり・演習・仕上げ・面接」の4段階で予定を立てる
- 基礎能力は知能分野を毎日、専門は憲法・民法を土台に選択科目を1つに絞る
- つまずきやすいのは法律科目の初学・論文・面接の3つ
- 全部を講座に任せず、つまずいた場面だけ外の力を借りる選び方もある





コメント