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『地元の地方裁判所で働きたいけど、勤務地ってどうやって決まるの?』と迷っている方も多いですよね。大阪で受けるか、東京で受けるかで悩んでいる方もいるはずです。
結論から言うと、地方裁判所事務官の勤務地は、申込みの時に選ぶ「希望する高等裁判所の管轄区域」でほぼ方向が決まります。その中で、成績や希望、各裁判所の欠員状況をふまえて採用される裁判所が決まる仕組みです。
この記事を読めば、8つの管轄区域の採用予定人員と倍率を、自分の勤務地選びにどう使えばいいかが分かります。
地方裁判所事務官の勤務地はどうやって決まる?
裁判所事務官の採用は、8つの高等裁判所の管轄区域ごとに行われます。地方裁判所で働くかどうか、どの県で働くかは、この管轄区域の中で決まります。
裁判所事務官の採用試験では、申込みの時に「希望する高等裁判所」を選びます。合否も、この希望勤務地の高等裁判所ごとに判定されます。
高等裁判所は、札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・高松・福岡の8つです。それぞれの高等裁判所が、いくつかの都道府県をまとめた管轄区域を持っています。
例えば大阪高等裁判所の管轄区域は、大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・滋賀県・和歌山県です。大阪の地方裁判所で働きたい人も、京都や神戸で働きたい人も、同じ「大阪高裁の管轄」で受けることになります。
管轄区域の中で、採用される裁判所が決まる流れ
最終合格したあとの流れは、裁判所の採用Q&Aで次のように説明されています。
- 最終合格者が、高裁の管轄区域ごとの採用候補者名簿に成績順で載る
- 高裁が、希望勤務地や成績、各裁判所の欠員の状況を見る
- 原則として、第一希望の勤務地を管轄する裁判所に推薦する
- 推薦を受けた裁判所から、採用するかどうかの意向照会がある
- 採用内定となる
『第一希望の勤務地に行けないこともあるの?』と気になりますよね。公式Q&Aでは、欠員状況によっては、本人の意向を確認したうえで第一希望以外の勤務地に推薦されることもあると書かれています。
第一希望の勤務地はどう決める?
第一希望を決める時は、「どの県で暮らしたいか」から考えるとまとまりやすいです。例えば、こんな考え方があります。
- 「実家から通える範囲で働きたい」なら、実家のある府県を第一希望にする
- 「大きな都市で働きたい」なら、高裁や地裁の本庁がある都市を考える
- 「まだ決めきれない」なら、管轄区域の中で住んでみたい県を2つほど挙げておく
面接では、希望勤務地の理由を聞かれることも考えられます。例えば「地元で家族の近くに住みながら、地域の裁判を支えたい」のように、自分の言葉で言えるようにしておくと安心です。
『希望を絞りすぎると不利になるのでは?』と心配する方もいますよね。ただ、公式Q&Aでは第一希望以外の推薦は本人の意向を確認したうえで行われるとされているので、まずは本当の希望を正直に考えておきましょう。
地方裁判所のほかに、家庭裁判所や簡易裁判所も管轄区域の中にあります。家庭裁判所の仕事については、家庭裁判所の事務官の仕事|家裁ならではの業務と向いている人で詳しく紹介しています。
地方裁判所事務官の仕事はどんな内容?
地方裁判所に採用された事務官は、「裁判部」か「事務局」に配置されます。裁判部では書記官のもとで裁判事務を、事務局では司法行政事務を担当します。
地方裁判所で扱う主な手続には、民事事件と刑事事件があります。裁判部の事務官は、裁判所書記官のもとで、こうした裁判の事務に携わります。
公式サイトの職員紹介では、大阪地方裁判所の刑事部の事務官の仕事が紹介されています。書記官の仕事を補助する事務として、「訴訟関係書類の授受や法廷の準備、来庁者の対応など」が挙げられています。
裁判員裁判の事件では準備が多く、部内の連携が大事だ、という話も紹介されています。法廷の裏側で、裁判の準備を整える役なんですね。

| 配置先 | 主な担当 | 仕事の例 |
|---|---|---|
| 裁判部(民事) | 民事事件の裁判事務 | 書記官のもとでの書類の受け渡しや準備 |
| 裁判部(刑事) | 刑事事件の裁判事務 | 訴訟関係書類の授受、法廷の準備、来庁者の対応 |
| 事務局(総務課) | 司法行政事務 | 広報など |
| 事務局(人事課) | 司法行政事務 | 研修など |
| 事務局(会計課) | 司法行政事務 | 設備管理など |
『法律の知識がないと務まらない?』と心配になる方もいますよね。公式Q&Aでは、試験は細かな専門知識の有無を問うものではなく、基本的な知識や理解を重視していると説明されています。
法学部のほか、経済・文・教育・理学部など、いろいろな学部出身の人が活躍しているとも書かれています。法学部でなくても、目指せる仕事なんです。
事務局の仕事も地方裁判所を支えている
地方裁判所事務官というと、法廷に関わる仕事をイメージする方が多いですよね。実は、事務局で働く事務官も裁判所には欠かせません。
事務局は、裁判がスムーズに進むように、裁判所の物的な設備を整えるなどして、裁判部をサポートする部署です。総務課では広報、人事課では研修、会計課では設備管理といった仕事があります。
『法廷の仕事と事務局の仕事、どちらがいいんだろう?』と迷うかもしれません。採用後は異動もあるので、両方を経験する可能性も考えておくと、仕事のイメージが広がります。
8つの管轄区域の採用予定人員から勤務地を考える
採用予定人員と倍率は、受かりやすさを競うための数字ではありません。自分がどこで長く暮らしたいかを考える時の材料として見てみてください。
ここからが、勤務地選びで一番気になるところですよね。令和8年度の受験案内に出ている、一般職(大卒程度区分)の採用予定人員を並べてみます。
| 高等裁判所 | 一般職(大卒程度)採用予定人員 | 総合職(大卒程度)採用予定人員 |
|---|---|---|
| 札幌 | 20人程度 | 1人程度 |
| 仙台 | 35人程度 | 1人程度 |
| 東京 | 155人程度 | 6人程度 |
| 名古屋 | 35人程度 | 2人程度 |
| 大阪 | 65人程度 | 4人程度 |
| 広島 | 20人程度 | 2人程度 |
| 高松 | 25人程度 | 1人程度 |
| 福岡 | 40人程度 | 3人程度 |
採用予定人員は、令和8年1月現在の数字です。毎年変わるので、受験する年の受験案内で最新の人数を確認しておきましょう。

倍率は公式の実施結果で確認できる
裁判所は、試験の実施結果を公式サイトで公表しています。ここでの倍率は「第1次試験の有効受験者数÷最終合格者数」で計算された数字です。
| 区分 | 申込者数 | 最終合格者数 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 全国合計(令和8年度) | 9,911人 | 1,821人 | 4.5倍 |
| 東京高裁管轄(令和8年度) | 4,011人 | 942人 | 3.4倍 |
| 大阪高裁管轄(令和8年度) | 1,575人 | 155人 | 8.3倍 |
| 大阪高裁管轄(令和7年度) | 1,614人 | 228人 | 5.9倍 |
いずれも一般職(大卒程度区分)で、全国合計には総合職の特例希望者も含まれます。ほかの管轄区域の数字は、公式の実施結果ページで確認できます。
数字を見る時に気をつけたいこと
大阪高裁管轄の倍率は、令和7年度が5.9倍、令和8年度が8.3倍でした。同じ管轄区域でも、年度によって数字がかなり動くことが分かりますよね。
倍率は年度によって変わるので、去年の数字が今年も同じとは限りません。倍率だけで管轄区域を選ぶと、採用後に暮らしたくない場所で働くことにもなりかねません。
自分の状況別に、数字の使い方を考える
採用予定人員や倍率の数字は、立場によって見るポイントが変わります。よくある3つの状況で考えてみましょう。
| 自分の状況 | 数字で見ておきたいところ | 考え方の例 |
|---|---|---|
| 地元に戻って働きたい | 地元を管轄する高裁の採用予定人員 | 人数の多少より、地元で暮らせるかを優先する |
| 都市部で働きたい | 東京・大阪など大きな管轄区域の人数と倍率 | 管轄区域が広いので、どの府県になりうるかも確認する |
| まだ決めていない | 複数の管轄区域の人数と、暮らしやすさ | 長く住める場所を2〜3か所に絞ってから数字を見る |
例えば東京高裁管轄の一般職は、令和8年度の採用予定人員が155人程度と8つの中で最も多い数字です。人数が多い分、管轄区域の中のどこに配属されるかも考えておくと安心です。
『倍率が低いところで受けたほうが得なのでは?』と考える方もいるはずです。ただ、採用後は採用された裁判所のある都道府県内での異動が一般的とされているので、長く暮らす場所として選ぶことのほうが大事なんです。
裁判所事務官を大阪で目指す人が知っておきたいこと
大阪で働きたい人が選ぶのは「大阪高等裁判所の管轄区域」です。大阪府だけでなく、京都府・兵庫県・奈良県・滋賀県・和歌山県が含まれます。
裁判所事務官を大阪で目指す人は、まず管轄区域の広さを知っておきましょう。「大阪で受けたのに、勤務先が兵庫県だった」ということも、仕組みの上では起こりえます。
公式Q&Aにあるとおり、高裁は原則として第一希望の勤務地を管轄する裁判所に推薦します。だからこそ、面接の時に伝える希望勤務地は、正直にはっきり決めておくのがおすすめです。
- 6府県のどこで働きたいか、第一希望を決めている
- 第一希望以外に推薦された場合にどうするか考えている
- 令和8年度の採用予定人員(65人程度)と倍率を確認した
- 第2次の人物試験は大阪高裁の管轄区域内で受けると知っている
- 最新の受験案内で日程と人数を確認する
第1次試験や第2次の筆記試験の試験地は、希望勤務地に関係なく全国から選べます。一方で、第2次の人物試験は、希望勤務地を管轄する高裁の管轄区域内で行われます。
『大阪の大学に通っているけど、地元の福岡で働きたい』という方は、筆記は大阪で受けて、面接は福岡高裁の管轄内で受けることになります。移動の予定も早めに立てておきましょう。
京都・兵庫・奈良・滋賀・和歌山で働きたい場合
『京都の裁判所で働きたいけど、大阪高裁の管轄で受けるの?』と迷う方もいますよね。はい、京都府・兵庫県・奈良県・滋賀県・和歌山県で働きたい場合も、受けるのは大阪高裁の管轄区域です。
申込みの時に選ぶのは高等裁判所なので、府県ごとに試験が分かれているわけではありません。どの府県を第一希望にするかは、その後の面接などで伝えていく流れになります。
| 働きたい府県 | 選ぶ高等裁判所 | 人物試験を受ける場所 |
|---|---|---|
| 大阪府 | 大阪高裁 | 大阪高裁の管轄区域内 |
| 京都府・兵庫県 | 大阪高裁 | 大阪高裁の管轄区域内 |
| 奈良県・滋賀県・和歌山県 | 大阪高裁 | 大阪高裁の管轄区域内 |
大阪高裁管轄の一般職の採用予定人員は、令和8年度で65人程度です。6府県の合計の数字なので、府県ごとの人数は公式情報では分かりません。
試験の日程は、裁判所事務官の試験日と出願|申込みの流れと例年のスケジュールで確認できます。
地方裁判所事務官の採用後の働き方と異動
採用されたあとは、おおむね3年を目安に異動があります。採用された裁判所のある都道府県内での異動が一般的です。
地方裁判所に採用されても、ずっと同じ裁判所にいるわけではありません。同じ県内の家庭裁判所や簡易裁判所に移ることもある、と考えておくとイメージしやすいです。
公式Q&Aでは、上位のポストに昇進するにつれて、県をまたいだ異動が行われることもあると説明されています。キャリアが進むと、動く範囲が広がることもあるんですね。
書記官を目指す道もある
地方裁判所で事務官として働いたあと、裁判所書記官を目指す道もあります。事務官として一定期間在職すると、裁判所職員総合研修所の「裁判所書記官養成課程」の入所試験を受けられます。
入所試験に合格し、所定の期間の研修を受けると書記官になれます。『事務官として経験を積んでから、もっと専門的な仕事をしたい』という方には、目標の一つになりますね。
| 時期 | 働き方の目安 |
|---|---|
| 採用1年目 | 配属先で担当業務を覚える。年次休暇は採用の年は15日 |
| 3年目前後 | おおむね3年を目安に異動 |
| その後 | 都道府県内での異動が一般的 |
| 昇進後 | 県をまたいだ異動が行われることもある |

勤務時間と休みの基本
働き方の基本も、公式に示されている内容で見ておきましょう。勤務時間は1日7時間45分で、休日は土日・祝日・年末年始です。
年次休暇は年20日で、4月1日採用の場合、採用の年は15日です。夏季休暇3日や結婚休暇5日などの特別休暇、子が3歳に達する日までの育児休業もあります。
初任給は、一般職(大卒程度)で278,400円、一般職(高卒者)で240,360円です。令和8年4月1日現在・東京都特別区内勤務の例で、勤務地によって変わります。
裁判所事務官は国家公務員の特別職で、試験の種類に応じて人事院の試験で採用された人と同様の給与とされています。地方の市役所などとは給与の決まり方が違うので、比べる時は同じ条件で見てみてください。
裁判所事務官ガイド
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地方裁判所事務官についてよくある相談
知恵袋などで多かった相談を3つ選んで、公式情報をもとに考え方をお伝えします。
相談1 福岡地裁で採用されたら、県内の簡易裁判所に異動することもある?
『福岡地方裁判所で採用された場合、久留米や八女の簡易裁判所に異動になることもあるの?』という相談です。
公式Q&Aでは、異動はおおむね3年を目安に行われ、採用された裁判所のある都道府県内での異動が一般的とされています。簡易裁判所も下級裁判所の一つなので、同じ県内の裁判所への異動は想定しておくとよいです。
ただ、どの裁判所にいつ異動するかまでは、公式情報では示されていません。採用後の面談などで、配属先の担当者に確認してみてください。
相談2 大阪高裁と福岡高裁、どちらで受けるか迷っている
『一般職を受けるなら、大阪高裁と福岡高裁のどちらが受かりやすい?』という相談もよく見かけます。
大阪高裁管轄の倍率は、令和8年度で8.3倍、令和7年度で5.9倍でした。福岡高裁管轄の数字は、公式の実施結果ページで同じように確認できます。
ただ、倍率は年度によって動きます。採用後は採用された県の中で異動するのが一般的なので、「どちらの地域で長く暮らしたいか」で選ぶのがおすすめです。
相談3 地方の裁判所は残業が少ないの?
『当直は別として、地方の裁判所の残業はとても少ないの?』という相談です。気になりますよね。
公式に示されているのは、勤務時間が1日7時間45分であることと、超過勤務手当が支給されることです。残業の多さを裁判所別に示した公式の数字はありません。
職員紹介にあるように、裁判員裁判の事件では準備が多くなる場面もあります。部署や時期によって忙しさは違う、と考えておくのが自然です。
働き方が気になる方は、面接の準備を兼ねて公式サイトの仕事紹介を読み込んでおくのがおすすめです。どんな場面で準備が増えるのかを知っておくと、働くイメージがぐっと具体的になります。
- 勤務時間は1日7時間45分
- 超過勤務手当がある
- 年次休暇は年20日
- 裁判所ごとの残業の多さ
- 部署ごとの忙しさの違い
- 異動先の具体的な裁判所
よくある質問
地方裁判所事務官になるには、どの試験を受ければいいですか?
裁判所事務官の総合職か一般職の採用試験を受けます。申込みの時に希望する高等裁判所を選び、その管轄区域内の裁判所に採用されます。
裁判所事務官を大阪で受けると、勤務地は大阪府になりますか?
大阪高裁の管轄区域は大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・滋賀県・和歌山県です。原則として第一希望の勤務地を管轄する裁判所に推薦されますが、欠員状況によって第一希望以外になることもあります。
申込み後に希望する高等裁判所を変えられますか?
令和8年度の受験案内では、申込み後に試験の種類や希望する高等裁判所、試験地は変更できないとされています。申込み前によく考えて選びましょう。
地方裁判所と家庭裁判所で採用試験は違いますか?
裁判所事務官としての採用試験は同じです。採用後に地方裁判所・家庭裁判所・簡易裁判所など、管轄区域内のどの裁判所に配置されるかが決まります。
試験はどこで受けられますか?
第1次試験と第2次の筆記試験は、希望勤務地に関係なく全国から試験地を選べます。第2次の人物試験は、希望勤務地を管轄する高裁の管轄区域内で行われます。
まとめ
- 地方裁判所事務官の採用は、8つの高等裁判所の管轄区域ごとに行われる
- 原則として第一希望の勤務地を管轄する裁判所に推薦される
- 採用予定人員と倍率は年度で変わるので、勤務地選びの材料として読む
- 大阪高裁の管轄は大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・滋賀県・和歌山県の6府県
- 異動はおおむね3年が目安で、都道府県内の異動が一般的
勤務地は、採用後の暮らしに直結する大事な選択です。試験の全体像は裁判所事務官試験とは?試験区分・日程・倍率の全体像で、採用までの流れは裁判所事務官の採用|最終合格から採用までの流れと10月採用で確認してみてください。





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