最高裁判所の事務官とは?働き方と配属される人

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『最高裁判所で働いてみたい。でも、最高裁判所事務官になるための試験ってあるの?』と気になっている方も多いですよね。

結論から言うと、最高裁判所事務官だけを選んで受ける試験はありません。裁判所事務官として高等裁判所の管轄区域ごとに採用され、その後のキャリアの中で最高裁勤務を経験する、という流れです。

この記事を読めば、総合職と一般職それぞれで最高裁勤務にどうつながるのか、自分はどちらを目指すとよいのかが分かります。

目次

最高裁判所事務官とは?まず裁判所の全体像から

先に結論

最高裁判所事務官は、最高裁判所に勤務する裁判所事務官のことです。採用試験の区分としては、ほかの裁判所で働く事務官と同じ「総合職」「一般職」の中に含まれています。

裁判所は、大きく最高裁判所と下級裁判所に分かれています。下級裁判所は、高等裁判所・地方裁判所・家庭裁判所・簡易裁判所の4種類です。

最高裁判所は、長官と14人の最高裁判所判事で構成されています。日本の裁判所の中で、いちばん上にある裁判所なんです。

裁判所位置づけ事務官との関係
最高裁判所全国に1つ採用後の異動などで勤務することがある
高等裁判所全国に8つ採用はこの管轄区域ごとに行われる
地方裁判所各地にある採用後の主な勤務先の一つ
家庭裁判所各地にある採用後の主な勤務先の一つ
簡易裁判所各地にある採用後の勤務先の一つ

高等裁判所は、札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・高松・福岡の8つです。採用試験では、この8つのうちどの管轄区域で働きたいかを選んで申し込みます。

裁判所事務官の仕事は「裁判部」と「事務局」

裁判所の組織は、大きく「裁判部」と「事務局」に分かれています。事務官は、採用されるとどちらかに配置されます。

  • 裁判部: 裁判所書記官のもとで、各種の裁判事務に携わる
  • 事務局: 総務課・人事課・会計課などで、司法行政事務全般に携わる

事務局の仕事には、広報(総務課)・研修(人事課)・設備管理(会計課)などがあります。裁判がスムーズに進むよう、裁判部を後ろから支える役割なんです。

最高裁判所の中で、事務官がどの部署にどれくらい配置されているかまでは、公式の採用情報では細かく示されていません。ここは推測で語らず、公式に書かれている範囲で見ていきますね。

仕事内容をもっと詳しく知りたい方は、裁判所事務官とは?仕事内容・なり方・試験をわかりやすく解説から読んでみてください。

最高裁判所で働く事務官はどうやって決まる?

採用は高等裁判所の管轄区域ごと

裁判所事務官の採用試験は、希望する高等裁判所の管轄区域ごとに合否が決まります。最高裁判所での勤務は、採用されたあとの異動で経験する形です。

『じゃあ、最高裁で働きたい時は何を選べばいいの?』と思いますよね。

裁判所の採用Q&Aでは、総合職でも一般職でも、採用された人は「希望する勤務地を管轄する高等裁判所の管轄区域内の裁判所」で勤務すると説明されています。そのうえで、次のように書かれています。

公式Q&Aに書かれていること
  • 総合職は、所属の高等裁判所所在地での勤務が中心になる
  • 多くの総合職は、最高裁判所での勤務も経験している
  • 一般職として採用された場合でも、本人の希望状況等に応じて、最高裁判所で勤務することもある

つまり、最高裁勤務の機会は総合職のほうが多く、一般職でも希望次第で道がある、ということです。ここが大事なところです。

採用試験は裁判所が独自に実施している

裁判所の採用試験は、人事院が行う国家公務員採用試験とは別に、裁判所が独立して実施しています。採用されると、国家公務員の特別職になります。

申込みは、裁判所の採用試験申込みサイトからインターネットで行います。申込み後は、試験の種類や希望する高等裁判所を変えられないので、最初によく考えておきましょう。

総合職・一般職それぞれの最高裁への道筋

この章でやること

総合職と一般職で、採用から最高裁勤務までの道筋がどう違うのかを、時間の流れで並べてみます。どちらが自分に合うかを考える材料にしてみてください。

公式に示されている情報をもとに、採用後の流れを並べると次のようになります。年数ははっきり決まっているものではなく、異動はおおむね3年が目安とされています。

時期総合職の場合一般職の場合
採用時希望する高裁の管轄区域内の裁判所に採用希望する高裁の管轄区域内の裁判所に採用
採用後しばらく所属の高裁所在地での勤務が中心採用された裁判所のある都道府県内での異動が一般的
異動のたびにおおむね3年を目安に異動おおむね3年を目安に異動
最高裁勤務多くの総合職が経験している本人の希望状況等に応じて勤務することもある
書記官への道採用初年度は書記官養成課程の入所試験が一部または全部免除(原則)一定期間の在職後に入所試験を受けられる

『一般職だと最高裁には行けないの?』と不安になる方もいるかもしれません。ただ、公式Q&Aには一般職でも最高裁で勤務することがあると書かれているので、道が閉じているわけではないんです。

総合職と一般職で採用後に最高裁勤務へつながる道筋を比べた図解

総合職を目指すなら知っておきたいこと

総合職試験は、政策の企画立案に関わる高い能力を重視する試験です。令和8年度の受験案内では、院卒者区分と大卒程度区分があります。

令和8年度の試験の実施結果では、総合職(大卒程度区分)の申込者数は523人、最終合格者は8人、倍率は46.4倍でした。倍率は「第1次試験の有効受験者数÷最終合格者数」で計算された数字です。

採用人数がとても少ない試験なので、総合職には「特例制度」があります。申込み時に希望すると、総合職を受けながら一般職(大卒程度区分)の受験者としても合否判定を受けられる仕組みです。

特例を希望してもしなくても、合否には影響しないとされています。詳しくは裁判所事務官の総合職とは?一般職との違いと特例制度で解説しています。

一般職から最高裁勤務を考える場合

一般職試験は、的確な事務処理に関わる能力を重視する試験です。最高裁での勤務は「本人の希望状況等に応じて」とされているので、希望を持ち続けることが出発点になります。

一般職で最高裁勤務を考える時の準備
  • 採用後に希望を伝える機会があるか、配属先で確認する
  • 目の前の担当業務で、事務処理の正確さを積み重ねる
  • 異動はおおむね3年が目安なので、長い目で考える
  • 書記官を目指すかどうかもあわせて考えておく

最高裁判所事務官を目指す時のチェックポイント

勤務地と働き方を先に確認

最高裁勤務を意識するなら、希望する高等裁判所の選び方と、採用後の働き方を先に押さえておくと迷いません。

『最高裁で働きたいから、東京高裁の管轄を選べばいいの?』という方もいるはずです。最高裁判所は東京都千代田区にありますが、公式Q&Aでは最高裁勤務と希望高裁の関係までは書かれていません。

だからこそ、勤務地は「最高裁に近いかどうか」だけで決めず、採用後に長く暮らす場所として選ぶのがおすすめです。採用された裁判所のある都道府県内での異動が一般的とされているからなんです。

勤務条件は公式の数字で確認しよう

働き方の基本も見ておきましょう。裁判所の採用Q&Aに書かれている内容は次のとおりです。

項目公式に示されている内容
勤務時間1日7時間45分
休日土日・祝日・年末年始
年次休暇年20日(4月1日採用の年は15日)
初任給(総合職・大卒程度)290,400円
初任給(一般職・大卒程度)278,400円

初任給は、令和8年4月1日現在・東京都特別区内勤務の例です。勤務地によって変わるので、最新の金額は公式の採用情報で確認してみてください。

研修で力をつけながら次の勤務先へ

『最高裁で働けるくらいの力って、どうやって身につけるの?』と思う方もいますよね。

公式Q&Aによると、裁判所には職場での研修(OJT)と、裁判所職員総合研修所などでの集合研修(OFF JT)を組み合わせた研修制度があります。初任者から中堅、管理職まで、段階ごとの研修も用意されています。

さらに、上位のポストに昇進するにつれて、県をまたいだ異動が行われることもあると説明されています。

最初の勤務先で経験を積み、研修で力をつけていく。その積み重ねの先に、最高裁勤務の機会も見えてくるイメージです。

採用後に意識しておきたい流れ
  1. 最初の配属先で担当業務を覚える
  2. 職場の研修と集合研修で知識を広げる
  3. おおむね3年ごとの異動で経験の幅を広げる
  4. 希望する働き方を、伝えられる場面で伝える

採用から勤務地が決まるまでの流れは、裁判所事務官の採用|最終合格から採用までの流れと10月採用にまとめています。地方の裁判所で働く場合については、地方裁判所の事務官|勤務地の決まり方と大阪など地域別の採用も参考になります。

裁判所事務官ガイド

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最高裁判所事務官についてよくある相談

相談への答えも公式情報がもとになります

知恵袋などで多い相談を2つ選び、公式情報の範囲でお答えします。

相談1 地方の裁判所で働きたい時も最高裁に申し込むの?

『地方の裁判所事務官を目指す場合、国家公務員試験で最高裁判所に申し込むの?』という相談です。名前に「最高裁判所」が出てくるので、迷いますよね。

答えは、裁判所の採用試験に申し込んで、希望する高等裁判所を選ぶ形です。裁判所の採用試験は人事院の試験とは別で、裁判所の採用試験申込みサイトから申し込みます。

地方の裁判所で働きたい場合は、その地域を管轄する高等裁判所を希望先に選びます。例えば大阪府で働きたいなら、大阪高等裁判所の管轄区域を選ぶ、というイメージです。

相談2 裁判所事務官の「種」の違いって何?

『裁判所事務官には1種・2種・3種があると聞いたけど、何が違うの?』という相談もあります。

令和8年度の受験案内では、裁判所事務官の試験は「総合職」と「一般職」に分かれています。総合職は院卒者区分と大卒程度区分、一般職は大卒程度区分と高卒者区分です。

試験区分重視される能力
総合職院卒者区分・大卒程度区分政策の企画立案に係る高い能力
一般職大卒程度区分・高卒者区分的確な事務処理に係る能力

古い情報を見る時は、試験の名前が今と違うことがあるので注意してみてください。また、どの試験で採用されても、能力と勤務成績次第で昇進の道が大きく開かれていると公式Q&Aに書かれています。

古い情報との混同に注意

試験の名前や科目は、年度によって変わることがあります。ネットの古い記事ではなく、その年の受験案内で確認しておきましょう。

最高裁判所事務官を目指す人が確認したいポイントのチェックリスト図解

よくある質問

最高裁判所事務官になるための専用の試験はありますか?

専用の試験はありません。裁判所事務官の総合職か一般職の試験を受け、希望する高等裁判所の管轄区域ごとに採用されます。最高裁勤務は採用後の異動で経験する形です。

一般職で採用されても最高裁判所で働けますか?

公式Q&Aでは、一般職として採用された場合でも、本人の希望状況等に応じて最高裁判所で勤務することもあると説明されています。

総合職はみんな最高裁判所で働くのですか?

公式Q&Aでは「多くの総合職は最高裁判所での勤務も経験しています」と書かれています。全員とは書かれていないので、その表現どおりに受け取っておくとよいです。

最高裁判所事務官の給料は高いのですか?

給与は試験の種類に応じて決まり、人事院の試験で採用された人と同様の給与とされています。勤務する裁判所の名前で初任給が変わるという説明はありません。

まとめ

この記事の要点
  • 最高裁判所事務官だけを選んで受ける試験はない
  • 採用は8つの高等裁判所の管轄区域ごとに行われる
  • 多くの総合職は最高裁勤務を経験し、一般職も希望状況等に応じて勤務することがある
  • 異動はおおむね3年が目安で、都道府県内の異動が一般的
  • 日程や人数は毎年変わるので、最新の受験案内で確認する

最高裁で働きたい気持ちは、志望動機としても大切にしたいところです。まずは自分に合う試験区分と勤務地を決めて、準備を始めてみてください。

裁判所事務官ガイド

裁判所事務官ガイド 編集部

裁判所事務官の仕事内容・なり方・採用試験の日程や科目・倍率、書記官へのキャリア、勉強法と講座の選び方を、裁判所の公開情報をもとに整理している情報サイトです。 公式サイト

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